生きていく。ただひたすら。そして耕し続ける。世界の秘密に出会うため。
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Author:霜月

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まわりの人は
君が思っているより
優しい

少なくとも
君より
優しい
昨日「答え」を見つけて
すっきりした。
とてもうれしい。
気持ちいい。
それで「解けるとき」を思い出した。

数学を勉強していたころ
よく解けない問題があった。
次の日もう一度挑む。
その次の日もまた。
気が向いたらまたもう一度。もう一度。

そうやって解けなかった問題が解ける確率が高いのが、
提出前日の夜中。
最後にもう一度だけ挑戦する。
そんな時なぜか解けることが多い。
もちろんいつも解けたわけじゃないけど。

別に数学の問題だけじゃない。
哲学の問題、
ある概念について、
人から言われた言葉の意味。

「解けるとき」というのは
気持ちのいいものだ。
直感で正しいということが分かる。


要するに、
「解けるとき」はぎりぎりにやってくることが多い。
そしてきたら必ずそれと分かる。
ということ。

ねばれ!
答えが出た。
なんでこんなにどうしょもないのか。

地に足が着いていない

地に足着いていれば、
どんな経験も糧になる。

地に足着いていなければ、
ちょっとの風で転落するのみ。
だから不安なのだ。

地に足着ける生き方とは、
なぜ自分は今ここにいるのか
明確に理解している生き方のこと。

自分だけはごまかさない。
とことんまでつきつめよ。
ここんとこ
ものすごい勢いで
雨が降る

大量に落ちてくる水
気前よく
どばどば
どばどば

この気前よさ
気持ちがよい
今、危機の中にいる。
人生最初の危機だろう。
こんなにも苦しかったことはない。
こんなにも自分の進路で悩んだことはない。
どうしたらいいか分からない。
どうしたいのか分からない。

自分が今までやってきたことは
すべて無駄だったと思ってしまう。
自分はこれからも
何ひとつできないんじゃないかと思ってしまう。

これぞ正にクライシス。


やっと人生に向き合い始めたんだと思う。

人生山あり谷あり。
楽しんでこうよ。
苦しんだ分、成長できるのだと信じて。
失敗は必要なイベントなんだと信じて。
でも、星が話してくれたことを、友だちに話してあげるのはかまわないんでしょ?

それはいいよ。だができないだろうね。

どうして?

それを話すためには、まずおまえのなかでことばが熟さなくてはいけないからだ。

でも話したい、なにもかも! あそこで聞いた声を、うたって聞かせられるといいな。そうしたら、なにもかもまたよくなると思うわ。

ほんとうにそうしたいのなら、待つこともできなくてはいけないね。

待つなんて、わけのないことよ。

いいかね、地球が太陽をひとめぐりするあいだ、土のなかで眠って芽をだす日を待っている種のように、待つことだ。ことばがおまえのなかで熟しきるまでには、それくらい長いときがひつようなのだよ。それだけ待てるかね!


ミヒャエル・エンデ作 大島かおり訳 「モモ」より


自分の中で言葉が熟すには時間がかかる。
すぐにコメントだの感想だのを求めないで欲しい。
何か言わなきゃとあせって
心にもないことを言ってしまう。
自己嫌悪に陥るのはもういやだ。
このあいだ
尊敬する人について話した

このブログのふたつめの文章で
書いた人のこと

でも
なんだかうまく伝えられず
誤解を与えたような気がする

やはりしゃべるのは苦手だ

だからここで
もう少しだけ書く


私は彼の
完璧主義なところとか
勤勉なところとかに
惹かれたわけではない

確かに勤勉はひとつの美徳かもしれないが
それがあるからよいだの
ないとだめだの
そういうことではないのだ

私が彼を尊敬する理由は
彼が自分の定めた法律に従って
日々送っていたということ

教師という職を選んで
最初はどういう教師になろうかと
色々理想を考えるかもしれない
心に決めることがあるかもしれない

でも
周りの状況がその理想をくじく
生徒は内職に励み
同僚はいいかげん

この状況の中で
勤勉さを貫くことは
並大抵のことではない

それでも彼は続けた

はたから見れば
ばからしかったかもしれない
ひょっとすると彼自身も
少しはあほらしいと
思っていたかもしれない

でも
彼は転落しなかった


自分の決めた法律を守っている間は
おそらく自分のことを
それほどまで嫌いになることは
ないのではないか

自分の決めた法律を放棄したとき
転落が始まる

毎日がくだらないことを
人のせいにして
自分のいる状況を嘆き
いやいや日々を送る

その情けない人生への転落をくい止めるには
自分の決めた法律を守り続けること
それしかないと思うんだ

それは時として
すごくしんどかったり
あほらしいと思われたり
思ったり

でも
転落を食い止める唯一の方法なんじゃないかと
思うんだ


だから
私は
彼を
とてもとても
尊敬している
中に詰まっているものを
外に出してみたかった

でも
実は中は空っぽだった

外の世界はなんて豊かなんだろう
"Where are the men?" the little prince asked, politely.
The flower had once seen a caravan passing.
"Men?" she echoed. "I think there are six or seven of them in existance. I saw them, several years ago. But one never knows where to find them. The wind blows them away. They have no roots, and that makes their life very difficult."


"The Little Prince" written by Antoine de Saint-Exupery


根がほしい。切実に。
駅からバス通り沿いに
歩いてバイト先へ向かう
30分ほどの道だ

灰色の道路
くすんだでこぼこの小さな店たち
おもしろくない30分

最後の10分にさしかかる時
左手に土手が現れる
その向こうは


幅100mくらいだろうか
ゆったりじっくり
たっぷりの水が横たわる
川上の方を眺めると
ゆるやかにカーブを描いているのが見える

たっぷりの水

わきに「江戸川」と書いた看板を立てられようとも
上をガートンガートン電車にまたがれようとも
意に介さず
『すぐにどっかへいってしまうものさ。』

ゆったりじっくり

両岸をコンクリートで固められたことにしても
『まぁ構わないよ。そのうちはがれるでしょ。』

灰色の道路なんかでは
色あせたでこぼこの小さな店たちなんかでは
病院なんかでは
大学なんかでは
そう、人間どもなんかでは
とうてい彼を破壊し得ない

圧倒的な豊かさ
圧倒的な時間
圧倒的な余裕

はるか昔から
ゆったりじっくり流れ
人間の世が過ぎ去るのを
ただ待っている

あせる風もなく
いらつく風もなく

ゆったりじっくり
たっぷりの水
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